肝臓専門医からのメッセージ
国立大学法人 大阪大学大学院医学系研究科
消化器内科学 教授 竹原 徹郎 先生
C型肝炎の治療は劇的に変化しました。
かつて治療が難しいと言われていた遺伝子型1型のC型肝炎でも、8週又は12週、24週間の経口薬による治療で95%前後のウイルス排除が可能になっています。遺伝子型2型も同様に8週又は12週、16週間の経口薬による治療で、95%前後のウイルス排除が期待できます。同時に副作用も軽減しました。以前のインターフェロンを用いた治療では、副作用により10~30%で治療完遂できない場合がありましたが、経口薬の治療では数%に低下しています。新しい治療ですから、副作用や治療効果について今後も注意していく必要はありますが、多くの患者さんに新しいC型肝炎治療を受けていただきたいと思います。
本サイトにご寄稿いただいた患者さんは、比較的若く、肝疾患の進展も軽度な方かもしれません。新しいC型肝炎治療は、今まで治療が難しかった高齢の患者さんや肝臓の病気が進行した患者さんにも効果があります。治療の適応等について、ぜひ専門医の診断を受けることをおすすめいたします。
C型肝炎治療のゴールは、肝がんの発生や進展した肝硬変への進行を抑制することです。1人でも多くの患者さんが、そのようなリスクから解放されることを目指して、私たちは診療しています。