新しい治療法の登場を待って、ウイルス排除に成功
- 患者さんのプロフィール
Bさん(61歳・男性)会社役員
- 20歳
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- 手術時の輸血で感染
- 43歳
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- 主治医のすすめで血液検査を受け、C型肝炎と診断
- 44歳
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- 肝機能が安定したため経過観察
- 55歳
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- 1回目の抗ウイルス療法(注射薬+飲み薬)を6ヵ月で中断
- 58歳
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- 2回目の抗ウイルス療法(飲み薬)でウイルス排除
C型肝炎と診断されて

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- 「治したい」という強い気持ちで臨んだものの、1回目の抗ウイルス療法は失敗
● かかりつけ医にすすめられた血液検査で陽性であることが判明
過去の輸血経験や健康診断で肝機能の検査値が少し高かったことから、かかりつけ医のすすめで血液検査を受けました。その結果、ウイルス陽性でC型肝炎と診断。身内には誰もいませんし、まさか自分が肝硬変や肝がんのリスクを抱える病気になるなんて思いもしませんでした。でも、当時すでに抗ウイルス薬があったので、治療をすればすぐ治るだろうと思っていました。
● 治る見込みはよくて3割…減量に励み、経過観察の日々
肝機能の検査値が少し高いだけで自覚症状は全くなかったものの、将来への不安から、とにかく早く治したかったので治療を希望しました。しかし私の肝炎は治りにくい型である上にウイルス量も多く、「最大限の治療をしても治る見込みは10〜30%」と言われました。治療をすれば治ると思っていたのに、よくても3割しか治る見込みがないのか…と大きなショックを受けました。まず先生に言われた通り、肝炎を悪化させないように、内臓脂肪を落とすための減量に励みました。その結果、肝機能の検査値が正常に戻ったので、治療をせずに経過観察を続けることになりました。
● 身体への負担が大きいだけでなくウイルスも減らず、1回目の治療は半年で中止
そのまま10年余りが過ぎ、抗ウイルス療法が注射と飲み薬でできるようになって、先生から「50〜60%治る可能性がある」と言われたのです。ずっと治したいと思っていたので、すぐ治療を始めました。ただ、その治療は身体への負担が想像以上に大きいものでした。なるべく会社には行きましたが、同僚は顔色も悪くつらそうな私を見ていられなかったようで、「もういいから休め」と気にかけてくれました。会社の同僚にも、家族にもかなり心配をかけました。ところが、治療を続けて6ヵ月たってもウイルスが全く減らず、治療を断念。普通なら3ヵ月ぐらいで消えると聞いていたので、「これはダメだな」と自分でも感じました。
飲み薬による抗ウイルス療法

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- 治療を始めて最初の検査でウイルスが減りました
● 新たな治療法を医師にすすめられ、すぐに受けることを決心
1回目の治療が失敗したことは残念でしたが、もともと自覚症状があったわけでもないですし、中止をしたときは正直なところ、つらい治療からの解放感の方が大きかったです。将来への不安はありましたが、近いうちに新しい治療薬が出るはずと先生から言われていたこともあり、「それまで悪くなりませんように」ととにかく祈りながら過ごしていました。経過観察を続けて3年後、待ちに待った新しい飲み薬による治療を先生から提案され、迷わず「やります!」と即決しました。
● 本当に効いているのかと思うほどで治療に成功
最初の治療の負担が大きかったのである程度の覚悟をしていたのですが、薬を飲み始めてもつらい症状は起こりませんでした。あまりに何もないので、先生に「ちゃんと効いているんですか?」と聞いてしまったほど。そして、治療を始めて最初の検査でウイルスが激減し、治療が終わる前に完全に消えたのです。まさに「うそでしょ!」という思いで、ウイルス排除に成功しました。
治療を終えて

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- 晴れ晴れとした気持ちで将来への不安から解放されたことを実感しました
治療後、一番大きく変わったことは、生命保険に入れるようになったこと。主治医が書類に「C型肝炎治癒」と書いてくださったとき、何とも言えない晴れ晴れとした気持ちになりました。病気のことはあまり気にしないでいたつもりでしたが、実は重く心にのしかかっていたのだと、そのとき初めて実感したのです。病気から解放されたすがすがしさから、新しいことにもチャレンジしました。それまでは身体を動かすことが苦手だったのですが、乗馬やスポーツジムに通い始めて、もう2年がたちます。せっかく治ったのですから、ずっと健康でいられるように続けていこうと思っています。
※掲載内容にみられるような効果はすべての患者さんにあてはまるものではなく、特定の薬剤についての効果・安全性をお伝えするものではありません。
これから治療を受ける方へ
「C型肝炎は治る病気」と信じて積極的に治療を
C型肝炎は治療をすればウイルス排除できる病気です。私はずっとそう信じていましたし、本当に排除できました。治療をすすめられ、副作用がつらいのではないか、本当に治るのかと不安で迷う気持ちはわかります。でも、つらければやめられるし、ダメなら別の方法を考えることもできます。何もしなければ、何も変わらないのです。もし、悩んでいるなら、悩む前にとにかく受けてみてほしい。「勇気を出してよかった」と思える日が来ることを祈っています。