C型肝炎は21世紀の国民病
100人に1~3人がC型肝炎
年代別 C型肝炎ウイルス抗体陽性率
日赤血液センター(全国)初献血者348,6万人 調査年1995-2000
肝臓が肝炎ウイルスに感染すると肝炎になります。
肝炎ウイルスにはA・B・C・D・E型があり、このうち、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染したことで発症するのがC型肝炎です。
C型肝炎は日本の慢性肝炎のうち約70%を占め、無症状の人を含めるとHCV感染者は90万〜130万人いると推測され※、「21世紀の国民病」と呼ばれることもあります。
「沈黙の臓器」である肝臓は肝炎になっても自覚症状を感じにくいため、感染していることに気づかない方、あるいは感染を知っていても放置したまま治療を受けない方が多いという問題もあります。
※日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会編:
C型肝炎治療ガイドライン(第8.3版),
2024年5月, p13
https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c
(参照月:2024年7月)
慢性肝炎のうち約70%がC型肝炎
慢性肝炎の割合
日本肝臓学会 肝臓病の理解のために 1 慢性肝炎,肝硬変, p3.
図2.慢性肝炎の成因 2015 より作図
https://www.jsh.or.jp/citizens/booklet/(参照月:2023年4月)
肝炎ウイルスに感染してもほとんど自覚症状がない状態で、約70%は慢性肝炎へと移行するとのデータがあります ※ 。
※日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会編: C型肝炎治療ガイドライン(第8.3版), 2024年5月, p1 https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c (参照月:2024年7月)
約30年で「肝硬変」に、約40年で「肝がん」に進行
C型肝炎の自然経過
熊田博光編:インフォームドコンセントのための図説シリーズ肝炎ウイルス-B型・C型(第1版), 医薬ジャーナル社, p72(2012)より改変
慢性肝炎のまま治療をせずに炎症が続くと、約30年で「肝硬変」に、40年で「肝がん」に進行することがあります。
日本の肝がんの原因の50%がC型肝炎と
言われています。
肝がんの主な原因
一般社団法人 日本肝臓学会, 肝がん白書 令和4年度, p6 より作成
https://www.jsh.or.jp/lib/files/medical/guidelines/jsh_guidlines/liver_cancer_2022.pdf
参照月:2024年7月
どのように感染する?
C型肝炎ウイルスはHCV感染者の血液が体内に入ることから感染します。現在HCVに感染している方は過去の輸血や使い回しの注射などが原因と考えられます。
また、今は日常的な生活の場でHCVに新たに感染することはほとんどないと考えられています。
ただ、長期間にわたって血液透析を受けている患者さんでは、HCV感染の危険性があります。
HCV感染の危険
- 長期間にわたる血液透析
- 出血を伴う民間療法
- 感染している人とのカミソリや歯ブラシの共用
- 感染している人との性交渉(感染はまれですが、感染しないと断定できません)
- 適切に消毒をしていない器具での入れ墨、ピアスの穴あけ
- 覚せい剤、麻薬の注射
【監修】 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授 竹原 徹郎先生
2024年9月掲載
JP-MAVI-180196-12.02024年9月掲載
JP-MAVI-200030-8.0