あ行
- インターフェロン
- ウイルスの増殖を抑える注射薬。日本では1992年よりインターフェロン単独の治療が始まり、2001年以降、飲み薬を併用した治療が行われている。
- インターフェロンフリー治療
- インターフェロンを使わず飲み薬だけで行う抗ウイルス療法。2014年から始まった治療法。
- エコー(超音波)検査
- 超音波を体の表面から体内に発射し、その反射波から臓器の様子をみる画像検査。
か行
- 肝炎ウイルス
- 肝臓に感染し、炎症を引き起こすウイルス。A型、B型、C型、D型、E型などがある。
- 肝硬変
- 肝炎ウイルスやアルコールによって肝臓が傷つき、その傷を修復するときにできる「線維」が増加し、広がった状態。肝臓全体が硬くなり、肝がんができやすくなる。
- 肝細胞がん(肝がん)
- 肝臓にできるがんには肝臓の細胞ががんになる肝細胞がんと、胆管の細胞ががんになる胆管がんなどがある。肝細胞がんは原発性肝がんの90%を占め、一般的に「肝がん」と呼ばれる。
- 肝生検
- お腹に生検針をさして、肝組織を採取する検査。腹腔鏡検査と同時に行われることもある。肝臓の病気の進行状況が調べられ、治療法を決めるのに有効。
- 肝臓専門医
- 肝臓病を専攻する医師。日本肝臓学会が認定している。
- 肝臓の線維化
- ウイルスなどにより肝細胞が破壊と再生を繰り返すことにより線維化し、肝臓が硬くなっていく現象。線維化が進むと肝硬変になる。
- 血液凝固因子製剤
- フィブリノゲン製剤同様、ヒトの血液を原料とした製剤。出産や大量出血で過去に投与された方はC型肝炎ウイルスに感染している可能性が一般の方より高いので、C型肝炎ウイルス検査を受けることが望ましい。
- 血液透析
- 腎臓の機能が低下し、腎不全となった時に行われる治療法。針を刺して血液を体外に導き出し、特殊な膜(透析膜)を通して血液中の毒素や水分を除去し、きれいになった血液を体内に戻す治療法。
- 血小板数
- 血小板は出血した時に止血する働きがある。肝臓に障害、特に肝硬変があると数が減少する。
- 抗体
- ウイルスなどの異物が体内に侵入した時に免疫反応によって作られるタンパク質。HCV抗体検査では、現在または過去のHCV感染がわかる。
さ行
- 瀉血(しゃけつ)
- 線維化の原因となる肝臓に溜まった余分な鉄分を、体内から血液を抜くことで減少させる治療法。
- セログループ1(ジェノタイプ1)
- C型肝炎ウイルスはセログループとジェノタイプの2つの分類法があり、セログループは1と2に分かれ、それぞれジェノタイプの1と2に対応します。ジェノタイプ1はさらに1aと1bといったサブタイプに、またジェノタイプ2は2aと2bといったサブタイプに分かれる。日本におけるインターフェロンフリー治療はセログループ1(すなわち、ジェノタイプ1)やセログループ2(すなわち、ジェノタイプ2)の患者さんを対象としている。
- 臓器移植
- 重度の病気や怪我により、臓器の機能が大幅に低下し、移植しか治療手段がない場合に行われる治療。過去に臓器移植を受けた方はC型肝炎ウイルスに感染している可能性が一般の方より高いので、C型肝炎ウイルス検査を受けることが望ましい。
は行
- 病診連携
- かかりつけ医と肝臓専門医が治療の経過や検査データなどの情報を相互に交換しながら連携してひとりの患者さんの治療を行うこと。
- フィブリノゲン製剤
- ヒトの血液成分を原料とした医薬品の一種。大量出血時の止血等を目的に、1988年6月以前に多くの医療機関で使用されていた。同製剤を投与された可能性のある方は肝炎ウイルスの感染が考えられるので、厚生労働省では肝炎ウイルス検査を呼びかけている。
- 腹腔鏡検査
- お腹に小さな孔を開けて腹腔鏡を挿入し、腹腔内を観察する検査。
- プロテアーゼ阻害剤
- C型肝炎ウイルスの増殖を抑える飲み薬。ペグインターフェロン、リバビリンと併用したり、他のDAA (NS5A阻害剤やNS5B阻害剤)と併用する。
- ペグインターフェロン
- インターフェロンよりも約10倍、血中に長く留まり、効果が持続する。
- 母子感染
- ウイルスなどがお母さんから赤ちゃんに感染すること。妊娠中、体内で感染する「胎内感染」、分娩中、赤ちゃんの体が産道を通るときに感染する「産道感染」、授乳を通じて感染する「母乳感染」の3つがある。C型肝炎ウイルスについては母子感染するリスクは高くないことがわかっており、授乳によって感染したとの報告もない。ただし、お母さんが感染している場合、乳首に傷があったり、出血したりしている場合は授乳を控える必要がある。
ま行
- 慢性肝炎
- 肝臓の細胞が長い期間、持続して炎症を起こしている状態。肝硬変、肝がんを発症する危険性がある。慢性肝炎の70%はC型肝炎ウイルスによるもの。
ら行
- リバビリン
- インターフェロンやDAAと併用することで、ウイルスの排除率を高める飲み薬。
A-Z
- AST(GOT)/ ALT(GPT)
- 細胞内で作られる酵素で、肝臓に多く存在している。肝細胞が破壊されると、血液中に多く漏れ出すため、肝臓の状態を示す指標となる。
- CT(コンピューター断層撮影)検査
- 体の周囲からX線を当てて、体を輪切りするように撮影する画像検査。コンピューター画像で臓器の状況を詳細に観察できる。
- C型肝炎ウイルス陽性
- C型肝炎ウイルスに感染していること。「陽性」の結果が出たら、より詳しい検査が必要。
- HCV
- C型肝炎ウイルス(Hepatitis C Virus)。血液から感染する。
- MRI(磁気共鳴画像)検査
- 強い磁場と高周波を組み合わせ、コンピューター画像で体内の様子を観察する画像検査。
- RNA
- 遺伝物質の「リボ核酸」。血液中のHCVのRNAの有無を確認し、現在、HCV に感染しているか調べる。
【監修】 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授 竹原 徹郎先生
2024年9月掲載
JP-MAVI-180196-12.02024年9月掲載
JP-MAVI-200030-8.0